2013年4月19日金曜日

眠れぬ夜のために

ここ二週間、毎夜12時から、カール・セーガンのコスモスを一話見てから床に入っていた。

姫神調の音楽から始まるこの物語のおかげでコスモを感じながら毎夜安眠できている。


ちゃかすのではなく、真剣に、ともすると電次郎的なイロモノ枠としてのエンターテイメント科学に陥らず、王道を歩み、本質に迫る素晴らしい番組である。

もし諸君が科学に対して、何かカタクてつまらないものというイメージを有していたら、甚だ残念なことと言わざるを得ない。理由はとても簡単で、そう、それはとっても、もったいないことだからだ。ただそれに尽きる。科学の本質を知らずして生きるのは人間に産まれた甲斐の40%近くを損している。確実に。ぼくはそう思っているんだから仕方ない。科学は無くても生きられるかもしれないが、科学は君を放っておいてはくれないのだ。

とはいえ、君の科学嫌いを君の生得的遺伝子に帰着せしめるつもりは毛頭無い。君と科学との出会いが不幸なかたちであったと容易に想像できるからだ。人間には知ることの楽しみがある。アリストテレスの語ったこの真理だけは客観的と言っても差し支えない。もし君がいい意味での出会いを経験していたなら、今頃科学は君の最大の友であったはずだ。科学の本質は一緒にいるだけで楽しくなるところにある。気をつかう必要も無い。

君が今まで科学に対して食わず嫌いで不幸な人生を歩んできたのなら、それはそれで仕方の無いことで、虚数時間からのビッグバンはエントロピーが増大していく方向にしか進んでいかないから、何度悔いたって意味が無い。後は喰うか、喰わざるか、それだけの問題だ。おおかた君が科学を嫌いな理由は受験のための科学を学んだ弊害に由来しているとぼくはよんでいる。安心されるがよい。そうした星の運命を呪う前に、この番組が作られた星の運命を祝福すればそれで事足りる。何も穴を二つ掘って呪う必要などない。運命は帰られる。観察と省察と一歩踏み込む好奇心で。

ぼくは苦悩を突き抜けた人類を全肯定する。ベートーヴェンの交響曲第5番と第7番を聴きながら。

http://www.youtube.com/watch?v=5Z2AnfStRSM

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