一ノ瀬 健太 山頂の初心者コースには誰も来ない。深い霧の中でこんなことを考えた。
濃霧の中ではリフトの上の人たちが本当に宙に浮いているように思えた。かくいう私もきっと宙にいたのであろう。死んだらこんな感じで霧の中をゆらゆらと昇っていくのかもしれない。もうすぐ一年経つからそんなことを思った。親子連れやカップルのちいさな声が霧の中から聞こえてきた。
濃霧というものをはじめて経験した。前後不覚になるとはああいうことだ。山で遭難する者を馬鹿だと思っていたが、遭難して当然だ。今では山で遭難しないと思っている者を馬鹿だと思っている。
スキー、ものすごく筋肉痛、、筋肉少女帯くらい筋肉痛だ。ずーっっと曇ってたのに、、、なんか日焼けした。子守りで大変やったけど、おもろかった。
気持ち悪くなって来ましたので、離脱します。後ろからカラバッジョ、ベルニーニと何やらイタリア美術の話が聞こえます。かわいい女の子たちの美しい話を枕に眠りにつくことします。
遅咲きの青春真っ只中！
命短し！恋せよ！乙☆女！
今僕は車中泊のスキーツアーの真っ只中です。ここまでくるのに10年かかりました。おそらく、この車中では僕が一番年上です。周りは僕が高二の頃、想い描いたシュプール族です。平均年齢22歳、世界は俺のもの！と思っている過去の自分の成功例です。お前ら！充実してんな！うらやましいぞ！(悲)w
絶対に合格してからスキーに行く、、それがすべての間違いだった。
高校一年生の頃のスキー合宿以来、その魅力に取り憑かれ、いつか行こう行こう、とぼんやりシュプールを描いていた。高二の冬頃から大学生になったら、スキー合コン三昧だ！と近々きっと訪れるであろう未来に思いを馳せ広瀬香美を聴きながら一層勉学に勤しんだ。
我ながら何と詩的な表現であろうか、我ながら感動してしまった。やっぱり俺、文才あるなぁ。。。
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