2011年5月12日木曜日

大学美術館、香り展

香り展に行ってきた。

名作をたくさん見てきた。美術館の味わい方は人それぞれであるが、ここに私自身の味わい方を記しておく。

私の味わい方、それは、すべての作品を見ようとはしないことである。一点か、二点、本当にみたいものだけを搾って見る。とりあえず、逆走から始まる。“なんだこれは?!”と思ったもの、名品、駄作を問わず、自分の感性を信じる。小林秀雄がゴッホのカラーコピー、それも当時のだから、色彩も実物とは全然違うものに感動し、実際の実物にはまったく感動しなかったと述懐している。本物のゴッホよりも雑誌で見たできの悪いカラーコピーに感動したなどとは藝術の最高学府に属するものとしては口が裂けても言えやしないようなことを彼は平気で言った。まさに利休を髣髴とさせる。感じたことを感じたままにいうことのいかに難しきかを我は知る。


今日の“なんだこれは!?”は島成円の紅い、細長い女がぐっときた。

あとは天にのびんとする香木、伽羅。


しかし、香り展なのに、触ったり、嗅いだりできる展示が圧倒的に少ないのはまだまだだな。

どんな展示にするのか、俺に相談した方が絶対にいいと思う。

俺だったら、もっと、体験できる美を展示したな。

香の実際の勝負、あてっこゲームができたっていい。やっぱりまだ、ぜんぜん人と美術を結びつける気がないのがわかる。お高い、触ることのできぬ美術はもう古いよ。しかも係員のありがとうや、回覧券の確認がただやればいい、になっていて、ぜんぜん心がこもってないよ。バイトなら仕方ないは通じないよ。しっかり上の人間の指導がいき届いてないからそうなる。クーリエ失格だよ。もっとよく、考えて、指導、展示しろ。俺に聴け!俺から学べや!


はぁ、展示方法の抜本的改革が必要だね。まったく。それじゃ作品は永遠にお茶の間の心を掴むことはできないよ。

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