2011年4月13日水曜日

男はつらいよ

 寅さんを見た。男はつらいよ、純情篇。

 帰る場所があるとおもうから、おりゃいつまでたっても一人前になれねんだ。と寅さんが何度も言っていたが、帰る場所があるからこそ一人前になることもできる。それを教育学者のジョンボールはセキュアベース、安全基地理論とした。子どもが好奇心旺盛な性格になるには親が笑顔で送り出し、何かあったら帰ってきな。という態度が子どもの冒険心を育むらしい。たしかに理性で理解ができる。辻褄が合う。だからその理論をアプライすれば、寅さんはいつでも帰ってくる場所があるからこそ、いろんな所へ旅をすることができるのである。

 しかし、初めの空撮のシーンとかは見づらくて、なお、ヘリコプターの影は映ってるわで、なんか素人っぽいというか、適当という感じがした。まぁ、寅さんだから、いいのかとも思った。

 やっぱ、義理と人情の世界ってのもやっぱいいね。日本の悪しき風土病と、日本の最高に誇れることはやっぱ表裏一体だね。大阪が一番治安が悪いのに、かつそれで一番優しい街だということも、アメリカがキャプラの国であることと、戦争の国であることとも同じことなのかな。


 今回のシーンのベストは、はじめの方の子連れ女と寅さんが一緒の部屋に泊まるシーンと、最後の方のシーン、ある長崎の漁村のオヤジの後ろ姿が沁みた。寅さんに出てくる人は、決める時には、みんな痩せ我慢をする。リアルな現実と同じなんかなぁ。

 あぁ、寅さんって、ほんと痩せ我慢の人なんだな。


計735円 也 +薬代500

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