2011年1月8日土曜日

喰うことと、生きること 3

 喰う為に生きるのか、生きるために喰うのか。この2者択一しか残されていないのか。それが問題だ。うん。それにしても俺ハムレット、相当好きだね。

 魂を売った友人たちとは話がもう合わなくなった。それは紛れもない事実な訳で、話の内容が劣っているとか、優れているとかいう議論はしない。ってな相対主義者的な、みんなちがってみんないい的な話はここではしないわけで。相対性理論は聞いても、ラブ・ズッキュンは口ずさんでも、相対主義を打ち破らねばならない訳で。だからここでもどんな話が優れているのかもしっかりと価値判断する訳で。人間は実に自分の人生を正当化せずにはいられない訳でありまして。あいつらの話よりは俺の話の方がだんちで優れている訳で。世界とは何か?神とは何か?人間って何か?っていう話こそ俺はそそられる訳で。そんな話にこそ興味があって、誰が結婚したとか、誰がどこに就職しただとかに、それ程興味はなく、、、とはいってもまぁ、知りたい訳だが、そんなにひっぱる話でもないから、聞いて、はい、それまでよってな訳にいきつくわけで。それから過去の話なんかされた日にゃ、もう沢山だよって思うけれども、いいだせず、苦笑いの愛想笑いを浮かべる自分がなんとも情けなく誠を尽くしているのかと、自分にも、友人にもね、自分の良心が痛み、ズキズキズキンちゃんな訳で。遠慮をする仲はホントの友人ではないのではないのかと自問自答してみたり、自分が特別じゃないなんてのはホントはもうわかってるわけで。個性なんて全然ないのも重々の合点承知之助な訳で。とりあえずの優越感に浸ってブログを書いてるなんて奴はそれこそごまんといるわけで。読むに足らない情報を日夜勤しんで一生懸命やりがいを以って0人の読者の為に毎日アップする自己満足族なわけで。そんなこんなで結局その空気はうち壊せず、ずるずると二次会についていくわけで、二次会でも結局何も起きない訳で。ここは小樽ではないけども、おおきな牡丹雪が降るわけで。そんな雪がまた何ともいえず、ほんとに綺麗な訳で。駅前のイルミネーションに照らされて、これまたなんともロマンティックな情景であるわけで。地元の新潟にもやっぱり、そんな美しい真理があるわけで。それをなんだかんだで誇りに思ってる自分が確固としているわけで。やっぱり新潟はパトリな訳で。ラ・マルセイエーズを歌ってみる訳で。今日はそんな感じでブログする訳で。

 4日目にして学校が始まるというのもいかがなものかと文科省を小馬鹿にしつつ、それでも組織の論理に従う小市民な僕ちゃんは三日の夜に東京に戻った。

 郵便受けのポストをみると年賀状が入っている。そこには魂を売った友人から来た一枚の年賀はがきがあった。彼は昨年の12月、最近結婚したばかりの友人である。その彼の年賀はがきを見た時、余はぎくりとした。短剣があたかも余の首元に押しつけられているかのように、ひんやりとした感覚が喉仏を襲ってきたのである。そこにはもう一つの真理があった。

 余は魂を売った人間を軽蔑する。また売らざるを得なかった者も軽蔑する。喰わせてもらってる親をも軽蔑する傲岸不遜の厚顔無恥な野郎事大である。余は夢に妥協した、妥協せざるを得なかった全てのものを軽蔑する。経済的理由で、政治的理由で、また身体的理由で夢半ばに散華したものたちには哀悼の意を表する。逆境の中にこそ真理があり、それ以外には真理はないものとする。真の生き甲斐は実に逆境の中にこそあり。

 余の信条は瓦解した。そこにあったのは美しい光の中、閑静な住宅街で撮られた仲睦まじく映る二人の若い夫婦の写真であった。あぁ、実に余は不勉強であった。ここにも真理はあるのだ。

 夢を追い散華した人間にも人生があり、スポットライトが当たるのは本当に選ばれし人間のみだ。世の大半の人々はその一生を暗い闇の中で生涯を終える。散華した人間にも残りの人生がある。人生は決して終わりではないのだ。ライフ・ゴーズ・オンである。ドラゴンアッシュである。

 人生とは妥協である。幸せな人生を送るコツはいかにうまく妥協をするかで決まるのである。いかにうまく頭を垂れて生活するか、そこにかかっている。鴎外が晩年にたどり着いた、あの諦念の境地に、今の若者は既にみなたどり着いているのかもしれない。どうせ叶わぬ夢ならば、見ない方がましではないかと思い立ったが吉日なのか。それは自分で決めることだ。ただ俺は妥協はしない。したくない。こう言っていた自分がいつか妥協した時、コレを見た皆が大いに私を嘲笑するだろう。そのときには私はたいそうイタイ奴になっていることであろうし、まぁ、今もイタイ訳だが、それもまた若気の至りと笑ってくんなまし。

 妥協なくして人生なし。妥協してくれる人のおかげで今の俺がある。妥協する人がいるからこそ成功者となれるのだ。敗者に乾杯。人生の敗者たちに乾杯しよう。素晴らしき妥協に涙の乾杯。妥協するも涙、妥協せぬも涙。どちらの涙にもその先がある。その涙に報いあれ。その熱き血潮に祝福あれ!結局、老子。ラオツー。ラオツー。

 その年賀状に幸せありき。その年賀状に愛ありき。妥協の世界に真理多し。

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